海外SIMカードの準備と使い方|快適な海外旅行
「海外旅行でスマホを使って通話やインターネットを楽しみたい。」「海外SIMカードってよく聞くけど、実際どうなんだろう?」そんな声をよく聞きます。海外SIMカードは、ちょっと専門的な知識が必要な部分もありますが、他の通信手段とくらべて割安で利用できるケースもあるので、しっかりと検討しましょう。今回は、海外SIMカードの準備や使い方、注意点をご紹介します。
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SIMカードとは?
「SIMカード」とは、携帯電話で音声通話、データ通信をするために必要な小型のICカードです。SIMカードには、電話番号などの固有のIDが記録されており、これがないと電話やデータ通信をすることができません。海外SIMカードを使う場合は、国内で使っているSIMカードを入れ替えて使用します。ただし、SIMカードを入れ替えると電話番号が変わってしまうので注意が必要です。
海外SIMカードにもいくつかの種類がある
ひと口にSIMカードといっても、さまざまな種類があります。自分のスマホで問題なく使用できる規格のSIMカードを購入しましょう。ここでは、SIMカードの種類をご紹介します。
[1]サイズは3種類
SIMカードのサイズは、大きな順に「標準SIM」「microSIM」「nanoSIM」の3種類。自分のスマホのSIMカードのサイズをしっかり調べておきましょう。ちなみに「マルチSIM」と呼ばれる全サイズに1枚で対応できるSIMカードもあります。
[2]タイプは4種類
SIMカードは「データ通信のみ」と「音声通話+データ通信」、「音声通話+SMS」、「データ通信+音声通話+SMS」の4種類。できることが増えれば料金も高くなることが多いので、用途に合わせて選びましょう。
[3]プラン・支払い方法
SIMカードには、1GB/3GB/5GBなど、指定された通信量までデータ通信ができるタイプと、指定期間中にデータ通信が利用できるタイプがあります。期間が指定されているSIMカードには、1日あたりの最大通信量が決められている場合があるので、自分のスマホの使い方に合わせたSIMカード選びが大切です。さらに、利用可能な国・エリアが限られているものと複数国で利用できるタイプがあるので、渡航先や渡航頻度に合わせて選びましょう。また、支払い方法については、利用前に料金を支払うプリペイド式と、利用後に使った分の料金を支払うポストペイド式があります。
海外SIMカードを使用する際の準備
SIMフリースマホを用意しよう
海外でSIMカードを購入して利用するには、事前にSIMフリースマホを用意しておく必要があります。SIMフリースマホとは、簡単に説明すると、どの通信事業者のSIMカードをさしても利用ができる状態になっている端末のこと。このSIMフリースマホを用意するには2つの方法があります。
[1]新たにSIMフリースマホを購入する
SIMフリースマホはどこで買えるのでしょうか?たとえばiPhoneなら、Apple StoreかAppleの公式サイト、他にもインターネット通販などで購入でき、Androidなら、メーカーの公式サイトや家電量販店、さらにMVNO(格安スマホ)の公式サイトや店頭で購入することもできます。語学力や設定に自信のある方は、海外旅行先の現地で購入することも可能です。
[2]自分が持っているスマホのSIMロックを解除する
キャリアの端末は、そのキャリアのみで利用できるようSIMロックがかかっています。このロックを解除すれば、海外SIMカードを使うことができるようになります。2015年5月以降に発売されたスマホは、条件を満たせばSIMロックを解除できるので、希望する場合は事前に手続きをしておきましょう。SIMロック解除には手数料が必要になる場合があるので、各キャリアの公式サイトや店頭で確認してみてください。
※詳細は各キャリアのページをご確認ください。
【docomoをご利用の方】SIMロック解除のお手続き
【auをご利用の方】SIMロック解除のお手続き
【ソフトバンクをご利用の方】SIMロック解除のお手続き
海外SIMカードはどこで購入する?
[1]日本で事前に入手
海外SIMカードは日本で購入することも可能です。出発前の空港や家電量販店、ショッピングサイトなどで取り扱っているのでチェックしてみましょう。現地での言葉の問題もなく購入できるメリットがある反面、現地での購入にくらべ割高になることもあります。
[2]海外旅行先で入手
海外SIMカードを現地で購入するメリットは、国内購入にくらべ料金が安く抑えられることが多い点です。一例ですが、アメリカ旅行ならT-Mobileが販売しているツーリストプラン(容量2GB・通信回線4G/LTE・期間 3週間)を、30ドルで購入可能※なので、Amazonなどで購入検討する際、比較する目安になりますね。ただし、どこで売っているのかは国によって異なり、現地で尋ねたり探したりが面倒だったり、時間がかかったりする点がデメリットとして挙げられます。
※2019年3月現在
T-Mobileの料金は下記サイトより
https://prepaid.t-mobile.com/prepaid-international-tourist-plan
※国内外とわず、海外SIMカードを購入する際は、そのSIMカードが対応している周波数がご自身で用意したSIMフリースマホの周波数に対応しているか確認が必要です。周波数が対応していないとSIMカードをさしても利用することができません。
海外SIMカードを設定しよう
海外SIMカードにはスマホにさしてそのまま使えるものと設定が必要なものがあります。設定が必要なものに関しては、「APN設定」をしないと利用ができません。APN設定は簡単に言えば、どのアクセスポイントを利用するかを設定すること。また、音声通話が可能なもの等、一部のSIMカードでは事前に開通(アクティベーション)する必要があります。海外でいきなり設定するのはちょっと…と戸惑わないように事前にしっかり情報を調べておきましょう。
海外SIMカードのメリット・デメリット
●メリット
現地の“国内料金”と同等に利用できる
多くの場合、他の有料の通信手段とくらべて割安に利用できます。
複数の国で利用できる周遊SIM
海外SIMカードには、ヨーロッパ圏やアジア圏など複数国で利用できる周遊SIMもあるので、旅行のプランによって便利に利用することができます。1つの国のみで利用できるSIMカードもあるので、購入前にしっかり確認しておきましょう。
●デメリット
設定に手間がかかる
先ほども説明したように、SIMカードを入れ替えた際にAPN設定が必要な場合があります。慣れている人には問題ありませんが、こうした作業が苦手な人には面倒かもしれません。
スマホの電話番号が変わる
日本で使っているSIMカードから、海外SIMカードに入れ替えることで、同じスマホを使っていても電話番号は変わってしまうため、いつもの番号で電話を受けたり、メールアドレスが使えなくなることを理解しておきましょう。
国際ローミング、Wi-Fiルーターとの比較
〜長く滞在するほど、1日当たりの料金が安くなる海外SIMカード〜
海外SIMカードが、国内の各キャリアの国際ローミングやWi-Fiルーターとどちらがおトクかはケースバイケース。たとえば、Amazonで購入できる、韓国や台湾、オーストラリアなどアジア14カ国で8日間利用できるプリペイドSIMカードは、1,400円(税込)※。8日間利用すれば、1日あたり175円。滞在日数により1日あたりの料金は変わりますが、長く滞在するほど料金はおトクになります。
一方で、その国の滞在が1泊や、飛行機のトランジットなどで数時間入国するような場合は割高になることも。設定に自信があまりなく、短期の滞在を想定している場合、国際ローミングや海外Wi-Fiルーターなど、別の通信手段を検討した方が良いかもしれません。旅行の行き先や日程、人数に合わせてじっくりと比較検討してみましょう。
※2019年2月17日現在
※amazon参考URL
https://www.amazon.co.jp/14ヶ国利用可能-プリペイドSIMカード-シンガポール-オーストラリア-SIM2Fly/dp/B00XR5HJHM?ref_=fsclp_pl_dp_1
海外SIMカードで通話アプリは使える?
海外に持っていくスマホが、国内でいつも使っているスマホと同じならば、旅先で海外SIMカードを使用していても、LINEなどの通話アプリを利用できます。もし、いつもと違うスマホを海外で使う場合には、現地で通話アプリをインストールしても同じアカウントを引き継げないことがあるので注意が必要です。
なお、中国では政府によってネット規制がかけられており、海外SIMカードの種類によっては、LINEやFacebook、Twitterなどが使えないことがあることも覚えておきましょう。国際ローミングやWi-Fiルーターのネット規制回避プランでは利用可能です。
海外でスマホでの通話やインターネットを安価で楽しめる海外SIMカード。基礎知識をおさえて、事前にしっかりと準備をし、海外でスマホを快適に使いこなしましょう。